厚生労働省が2023年度の男性の育児休業等取得率を調査し、その速報がでました。従業員1,000人を超える企業を対象に実施した調査とのことですが、男性の育休等取得率は46.2%、平均取得日数は46.5日だったそうです。
どう思いますか?私の所感としては、長期で取得した人と短期間だけ取得した人の差が激しいんだろうなあと。しかも1,000人超えの大企業が対象となっているので、中小企業や零細企業も調査するともっと低い値になるのは目に見えてますね。
今回、育児休業の取得率を公表したことで
- 社内の男性育休取得率の増加
- 男性の育休取得に対する職場内の雰囲気のポジティブな変化
- 新卒・中途採用応募人材の増加
このような変化があったそう。男性の育休取得率を公表することが育休取得の促進だけでなく、採用活動の面でも効果的であると考察されてます。
このように、男性の育児休業がもたらすメリットについて注目が集まっています。昔ながらの育児のイメージを変え、父親も積極的に参加することで、家庭や社会全体にポジティブな変化が訪れることが示されています。今回は、男性の育児休業にフォーカスして記事を書いてみますね。
会社側が育児休業を取得してほしくない理由
まず、冒頭で書いた厚生労働省による調査結果とその考察ですが、これは会社目線です。これまでは男性も育児休業を取得する権利がありながらも、取得率も日数も低い値を推移してましたね。その理由はやはり仕事なのかなと。会社からして、社員に育児休業を取得されるデメリットとしては大きく2つあると思います。それがこの2つ。
- 人手不足
- 担当があり仕事に穴があく
女性は産前産後休暇が必須ですので、仕事に穴が開くことは避けては通れません。なのでそのまま育児休業に移行というのが比較的しやすいのかなと。男性はというと・・・「取らなくてもいいよね?仕事に穴開くし。」っていうのがこれまでの考え。前回の記事でも書きましたが、現代は共働きがあたりまえ。男女問わず育児とキャリアの両立が課題です。(前記事も見てください)
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国は男性の育児休業を推奨している
国としても男性の育児休暇を勧めるにあたって、”産後パパ育休”・”会社から社員への通知義務”・などの制度を新設しています。また、これまでは月末に1日だけでも育児休業を取得していると社会保険料が免除になっていたのですが、同月内に14日以上の育児休業を取得していれば社会保険料が免除になるという特約も追加されました。
ただ、改悪された部分もあります。ボーナス月に関しては連続して1ヶ月以上育児休業を取得した場合にのみ社会保険料が免除になります。勧めてるのかそうでないのかよくわかりませんね(笑)
実際は…
そう、この制度は根本の解決になってないんですよね。社会保険料が免除になったからといって人が増えるわけでも仕事の穴が埋まるわけでもない。結局のところは会社側が育児休業に理解を示して対策をしておくことが必要不可欠なのかと。
社員が育児休業を指定の日数以上取得した場合には国から補助金が支給されるのですが、一時金では人の穴を埋められる人員をあらかじめ用意しておくのって難しいんですよね。ただ、育児休業を長く取れる組織ほど帰属意識や仕事の意欲が高まるというデータもあるし、国からの補助がないと会社も頑張れないので、会社から人材への投資的な意味で育児休業への理解が深まってほしいところです。データとして応募する人材が増えているわけですし。
幸い、看護師の私は穴を埋めやすい仕事でしたので約半年間の育児休業を取得することができました。3年前の話になりますので、当時は今よりさらに少数派だったと思います。そんな経験をした私が、よかったところと悪かったところを簡単にまとめてみますね。
育児休業を取得したよかったこと
- 当事者意識を持つことができた
”当事者意識がある=育児ができる”ってわけではないですが、取得してなかったらもっと苦手意識を持ってたんだろうと思います。元々子どもとか赤ちゃんが苦手な私ですが、育児休業中は強制的にほぼ一日中関わることになるので、強制的に当事者意識を持つことができました。(今でも他人の子は得意じゃありませんが。笑)
- 愛着が形成できた
育児休業を取得しない(できない)人と比較すると関わる時間が圧倒的に多いので、その分愛着が形成できました。前述した通り子どもが苦手な私でしたが、今では子煩悩です。当時は目に入れても痛くないっていうのを体現してたと思う。今はイヤイヤ期に苦しめられてるので目に入れたら痛いです。
- 世のママすげえって理解できる
子どもによって育児の大変さに差はあると思いますが、同じ環境で比較できるわけではないので自分の子どもが基準になるんですよね。だからほとんどの人が大変な思いで育児をされるわけです。私の場合、半年間は2人で育児をしていたわけですが、それでも大変でした。単純計算、パパが育児休業を取得しなかったら妻はこの2倍大変だったことを思うと、全ての男性に育児休業を取得してほしいという考えになる。
- 翌年の税金が安くなるので手取り収入があがる
育児休業中は会社から給料が支給されることはなく、2ヶ月に一度育児休業給付金が支給されます。これは給料の総支給の約7割なので、あんまり生活には困りません。しかもこれは収入としてはカウントされないので翌年の住民税が減ります。住民税は前年の収入を元に算出されるので収入が減る=住民税が減るので手取りが増えます。これ、結構嬉しい。
育児休業を取得して悪かったこと
- 社会から切り離されたような気になる
私の場合、コロナ禍というものもあったからだとは思いますが、妻と子以外と関わることがほとんどありませんでした。コミュニティが圧倒的に狭くなるのでたまに「仕事してぇ」ってなってました(笑)
- 太る
仕事がない分、体を動かさないのでまあ太りました。体型戻すのに苦労しました。(笑)
メリットとデメリットを並べてみるとこんな感じなのですが、総合的にみて育児休業取得してよかったなあと思います。
* まとめ
男性の育児休業、徐々に一般的になりつつありますが、まだまだ課題まみれです。国として法改正してくれたりしてるので、これからどんどん普及していくことに期待したいところですね。国・会社・個人それぞれが育児休業への理解と積極性を持てばきっといい世の中になる。はず。育児休業、良いぞぉ〜。